BrainChip、Raspberry Pi 5向けAIキットAKD1500を発表
BrainChipは、開発キットAKD1500を発表した。同名のM.2規格アクセラレーターと、シングルボードコンピューターのRaspberry Pi 5で構成される。常時稼働モードで動作する省電力AIアプリケーションの開発を想定したソリューションである。

センサー、モニター、ウェアラブル機器、産業機器、スマートホームシステムなどのエッジデバイスでは、音を聞き取り、状況を観察し、数値を測定するといったデータの継続的な収集が求められている。従来型のプロセッサーでは、データに変化がなくてもすべてのフレームや測定値をアルゴリズムが解析するため、過度な発熱やバッテリーの早期消耗を招く。
データをクラウドに送信する方式には、遅延の増大、通信コストの上昇、情報の機密性に関するリスクといった課題がある。展開後にモデルを追加学習させることも、依然として難しい問題である。
こうした課題に対し、BrainChipはイベント処理に基づくニューロモルフィックアーキテクチャーを採用したAKD1500を提案している。このチップは入力される個々のデータ断片ではなく、意味のある変化にのみ反応するため、センサー監視や物体検出に適している。演算はデバイス上で直接実行されるので、クラウドに関連するリスクは生じない。
AKD1500はチップ上での学習に対応している。開発者は、Raspberry Pi 5上で動作するアプリケーションに、運用中に新しいキーワード、ジェスチャー、物体を認識させることができ、開発段階に戻る必要はない。
BrainChipによると、キットにはDockerイメージが含まれている。事前にダウンロードしてテストやデモを簡単に行えるほか、ニューロモルフィックアプリケーションを搭載した独自のコンテナーを作成する際の基準としても利用できる。すでにM.2 HAT拡張モジュール付きのRaspberry Pi 5を持っている開発者は、AKD1500カードを装着するだけで同じソフトウェアを使える。アプリケーションの動作を評価した後は、PCIeまたはSPIインターフェースを通じてチップを最終製品に組み込める。BrainChip Developer Hubでは、ソフトウェアツールやMetaTF環境向けに最適化されたモデルが無料で提供されており、用途に合わせて調整できる。