CATL、リチウム空気電池を研究 航続2000km超の可能性

中国の車載電池大手CATLが、リチウム空気電池の研究を進めている。理論上、この電池を搭載すれば、電池の重量を大きく増やすことなく、電気自動車の航続距離を2000km以上に伸ばせるという。

CATL、リチウム空気電池を研究 航続2000km超の可能性
写真: Zeekr

リチウム空気電池のエネルギー密度は、計算上3505Wh/kgに達する可能性がある。これは現在の全固体電池の少なくとも5倍にあたる数値だ。

この技術の最大の特徴は、空気中の酸素を反応物質の一つとして利用する点にある。放電時には金属リチウムが酸素と電気化学反応を起こし、過酸化リチウム(Li₂O₂)が生成され、その際に放出されるエネルギーがモーターを動かす。

充電時には、これと逆の反応が進むことになる。過酸化リチウムが分解されて酸素が放出され、金属リチウムが再生される仕組みだ。一般的なリチウムイオン電池と違い、反応に必要な材料をすべて電池内部に蓄えておく必要がない。

ただし、こうした優れた性能は、現時点ではほぼ紙の上の数字にとどまっている。3505Wh/kgという値は、システムの化学的性質をもとに算出した理論値にすぎない。比較すると、一般的なリチウムイオン電池は約200~300Wh/kg、有望視される全固体電池でも約350~500Wh/kgとされる。

リチウム空気電池には、いくつかの深刻な課題が残されている。動作中に生じる過酸化リチウムが多孔質電極に蓄積し、酸素の通り道を次第にふさぐため、電池容量が低下してしまう。充電時にはこの反応が可逆的に進む必要があるものの、元の状態へ完全に戻すことは今のところ難しい。

さらに、通常の空気に含まれる水分や二酸化炭素が望ましくない反応を起こし、除去しにくい化合物を生成するおそれもある。このため、実用化には空気をろ過する追加の仕組みが必要になる可能性が高い。