PBO Scalar 10XはRyzenの寿命を縮める恐れ、fps向上なし
UEFIでPBO Scalarを10Xに設定すると、ゲームで目立った効果が得られないまま、AMD Ryzenプロセッサーへの負荷が増える可能性がある。PCGHは、システムが問題なく動作していても、この設定によってチップの寿命が短くなるおそれがあると警告している。

ASUSの資料によると、このパラメーターはAMD Silicon Health Managementという仕組みに作用する。この技術は、電圧、電流、温度がプロセッサーの信頼性に長期的に与える影響を評価するものだ。この項目は、MSI、GIGABYTE、ASRockなど、他社の対応マザーボードでも利用できる。値を引き上げると、信頼性に関する要件が緩和されるため、Precision Boostアルゴリズムが高いクロックをより長く維持できるようになる。
ScalarはPPT、TDC、EDCとは異なる。これらは消費電力と電流の上限を定めるが、Scalarは自動的なクロック上昇が許可される条件に影響を与える。10Xという値は、クロックやBoost動作の持続時間が10倍になることを意味しない。また、AMDは、特定のScalar値に対する追加電圧や高クロックでの動作時間を算出できる計算式を公表していない。
PCGHは、Scalarを引き上げても温度保護は無効にならず、電流に関するすべての制限が解除されるわけでもないと指摘する。一方で、プロセッサーが安定して動作していても、劣化が早まる可能性は排除できない。
ゲームでは、特にグラフィックスカードが性能を左右する場合、fpsの向上が見られないことがある。長時間のマルチスレッド負荷では設定の影響がより顕著になる可能性があるが、プロセッサーのモデルやアプリケーションによって異なる。
AMDは、オーバークロックに起因する故障は標準保証の対象外であると注意を促している。これは、同社が用意した機能を使用した場合にも当てはまる。PCGH編集部は、設定変更の影響をユーザー自身で検証する用意がないなら、PBO ScalarをAutoのままにしておくよう勧めている。