PetaPixelがViltrox 35mm F1.4 Proを推奨

PetaPixelは2026年11月5日、Viltrox 35mm F1.4 Proのレビューを公開した。テストの結果、このモデルは手頃な価格でプロ品質の描写を実現していると評価している。価格は130,543円で、発売当初は104,403円で販売されていた。一方、大きさと重さについては購入前に確認しておく必要があるという。

PetaPixelがViltrox 35mm F1.4 Proを推奨

Viltrox Jueying Technologyは光学機器の分野で急速に存在感を高めており、中国版Sigmaと呼ぶ声も多い。Sigmaはカメラメーカー純正のレンズと互角に渡り合う、手頃な価格のレンズで知られるブランドだ。意欲的な光学設計を取り入れた堅実な製品が多く、たいていは高い期待に応えてくれる。その名にたとえられること自体が大きな称賛といえる。

なかでも注目されるのがViltroxのProシリーズだ。収差補正に優れた大口径レンズを魅力的な価格で提供しており、85mm f/1.4 Proはその代表例である。今回の35mm f/1.4 Proが同じような印象を残せるのか、レビューではその点が検証された。35mmレンズには、被写体を背景から効果的に分離できる明るさが求められる。

最大の長所として挙げられたのが、画面全域で安定した描写力だ。F1.4開放でも中央の解像感は非常に高く、絞り込んでもわずかな向上にとどまる。周辺部も開放から端までしっかりとした解像感を保ち、周辺減光はきわめて少ない。絞ると画質はさらに引き締まり、四隅もいっそうシャープになるが、そもそも開放から画面全体で高い解像力を発揮するように設計されたレンズだという。

Viltrox独自のコーティングにより、フレアやゴーストへの耐性も高い。絞り開放ではわずかな迷光が見られる程度だ。絞ると緑がかった色味が強まることがあるものの、許容範囲で補正も容易で、コントラストも高い水準を維持する。曇天の日には、強力なCOBライトを近距離から向けるストレステストも実施した。レンズは十分に対応したが、残像のような現象は確認されたという。

これだけ明るいレンズでは、ボケの質も重要になる。Viltroxの35mmはこの点でも優れており、描写は心地よい。F1.4では猫の目のような形のボケが現れ、被写界深度を浅くすることもできる。ただし、背景が思ったよりくっきり写る場面もある。明るい部分の周囲には目立つ輪郭が出やすく、玉ねぎのような年輪状の模様もかすかに見える。絞り込むと、光の玉は多角形になる。

弱点は軸上色収差(LoCA)だ。後処理での除去が難しく、特に開放付近の撮影では色のにじみが気になることがある。深刻なレベルではないものの、緑と紫に分かれる色ずれは一部の写真ではっきり確認できる。

Proシリーズらしく、デザインは簡潔で実用本位だ。余計な要素を省き、堅牢な構造と練られた操作性に重点を置いている。鏡筒はしっかりとした作りで、悪天候にも耐える防塵防滴構造を採用した。シリーズ共通の大柄なサイズと重量も受け継いでおり、ソニーEマウント版の重さは760g、寸法は直径84.5mm×全長111mmである。フィルター径は77mmと標準的だが、実際の見た目や持った感覚は必要以上に大きく感じられる。その分、操作部には余裕のある配置が可能になった。

マニュアルフォーカスリングは、正確なピント合わせに適した抵抗感に仕上がっている。カスタマイズ可能なボタンと、AFとMFの切り替えスイッチも備える。絞りリングは1/3段刻みで、絞りをカメラ側で制御するオートの位置に入る手前ではっきりとした抵抗を感じる。専用スイッチにより、絞りリングを無段階のなめらかな動作に切り替えることもできる。

各部の動きはなめらかで、設定変更も素早く行える。オートフォーカスも俊敏かつ正確だ。重い光学系を動かせる強力なリニアモーター(voice-coil motor)が大きく貢献している。フードは付属し、マウント部にはファームウェア更新用のUSB-Cポートを備える。

このレンズの人気を左右するのは、マウントの種類だろう。ニコンZマウント版も用意されており、これがモデルの成否に大きく関わる。Viltroxは多少の注意点はあるものの優れた画質を実現しているが、ソニーEマウント版では強力なライバルとの競争を避けられない。

PetaPixelがViltrox 35mm F1.4 Proを推奨

Sony 35mm f/1.4 G Masterは性能面で上回るものの、価格は212,585円とかなり高い。Sigma 35mm f/1.4 Artは166,918円で、ほぼ完璧な描写を誇り、画質ではViltroxのすぐ近くに位置する。Viltroxを選べば多少は費用を抑えられるが、競合との画質差を考えるとその節約に見合わないかもしれない。ソニーEマウントなら、予算に余裕があるSigmaが最良の選択肢になる。Sigmaは寸法が直径73mm×全長96mm、重さ525gと、はるかにコンパクトで軽い。

一方、ニコンZマウントのユーザーは、選べるレンズがそれほど多くない。94,482円のNIKKOR 35mm f/1.4はより手頃だが、エントリー寄りの位置づけで、Viltroxには及ばない。ViltroxはNIKKOR Z 35mm f/1.4を上回る性能を持ちながら、価格帯は近い。このため、ニコンZ向けにはViltroxのほうが魅力的な選択肢といえる。

総じてViltroxには大きな強みがあり、Proシリーズは選択肢を広げながら期待に応え続けている。プロ級の画質を優れた価格で手に入れられるため、購入する価値は十分にある。ただし、大きさと重さは覚悟しておきたい。